回顧録~看護の始まり
人生も半ば過ぎ。何だか振り返りたくなった。
看護の始まり
小児科の看護師しかする気はなかった。私はこうと決めたらまっしぐらで、小児病院に就職した。そしたら、血液腫瘍科に配属された。外科がよかった。つらい治療、悲しい別れ、どうして生まれて何年も経っていないこの子たちが苦しむ姿を見ていられよう。最初はほんとにやだった。なぜか、この病棟だけが暗く感じた。
でも、いつしか、そこにはいのちの光がすごいコントラストで見えることに気づく。
一生懸命、消えそうで消えない小さなまぶしい光。
自分も若く必死だったし、同期にも恵まれ楽しかったし、何より私の看護の根底がここにある。
「ひたむきに寄り添う」。看護師の私ができることはたかが知れている。
私の勤務していた病院には、病院で10年以上も生きてきたMちゃん、お母さんが引き取りを拒否しているIくん、がんで最後には目も見えなくなってしまったSちゃんがいて、たくさんの命が天国に召された。
院内の学校にも子供たちを送っていった。学芸会は自分の子供のような気分で見ながら号泣した。
もう30年も経っているのにほぼみんなの名前が出てくるのは、何故だろう。